改正貸金業法の完全施行 予想されるトラブル、闇金の注意点


■ 急に借りられなくなる可能性


6月18日の改正貸金業法の完全施行によって総量規制が導入されます。
これにより、現在年収の3分の1以上の借入が有る場合には新規の借入ができなくなります。

毎月の資金繰りで、一度返済をした後足りない分をまた借りる、いわゆる自転車操業となっている方は特に注意が必要です。
もし、ご自身の取引に過払い金の可能性があれば、早目にご相談ください。

■ ショッピング枠の現金化業者


クレジットカードのショッピング枠は今回の総量規制からは対象外となっております。
しかし、これに乗じてショッピング枠を現金化する業者がPRを強めることが予想されます。
実際にはショッピングとして利用した分がそのまま現金化されるわけではありません。
数%から10%くらいの手数料が取られます。結果として借金が増えてしまいますので慎重な判断が必要です。

■ ソフト闇金への注意


闇金と言うと与信のおりない人を対象に、法外な金利でお金を貸し、返せない場合は強引な取り立てを行う。 そんなイメージがあるのではないでしょうか。

しかし最近は知り合いだけにお金を貸し、強引な取り立てをしない。 金利も年率40%〜50%ほどで貸しているケースが多く、苦情や被害の声は少ない。 そうした「優しいヤミ金(ソフト闇金)」という業者が出てきている。

とある女性の事例で言うと、その業者のことを「ヤミ金」だという意識がなかった。 一方のヤミ金は「金利は○○%で……」などと話していた。ところが、彼女は「そんな説明はいらないから、私は来週いくら返せばいいの?」と聞き、 ヤミ金は「じゃあ、(元本に)3万円上乗せして返してくれ」といった会話をしていた。
つまりその女性は10万円を借り、来週には13万円を返済しなければならない。
しかし、友人や恋人のような優しい対応をしていることで闇金とは思われていないのである。

またソフト闇金の中でも、金利が40〜80%で貸しているソフトな業者と、金利はさらに高いが応対がよりソフトな業者の2つのタイプが存在している。
借りる側が「貸してよ」といえば、ソフト闇金はすぐに貸してくれる。 「今週、返済がきついんだけど」ということであれば、「じゃあ、ジャンプ(繰越す)して、来週で」という対応も行っているようだ。

基本的には信頼関係のようなものを築いていて、正規の業者と比べ「ウェット」な関係だ。 こうした関係の中で、ソフト闇金は5万円や10万円といったお金を出し入れして稼いでいる。 そんなウェットな関係なので、借りている人は警察に駆け込むこともない。

総量規制で借入ができなくなる人が増えることが予想される以上、その人たちは他の業者でも相手にされないので、ヤミ金業者を裏切る可能性は低い。
こういう人を何人か持っているだけで、ヤミ金業者は細く・長く食っていけてしまうのである。

確かにウェットな関係で融通がきくのかもしれない。しかし、高金利であることは間違いないので提示されている利息には充分気をつけることが大事ではないでしょうか。